派遣SEから正社員になる方法・引き抜かれる人の共通点【現役の課長が解説】
派遣のままでも稼げる。でも「立場」はゼロだった
先に、勘違いされやすいことを書いておく。派遣=稼げない、は嘘だ。俺は派遣のまま、月収100〜140万まで行った。単価の高い現場を渡り歩けば、正社員より手取りが多い時期だってある。お金だけ見れば、派遣は悪くない。
でも、ある日ふと気づいた。俺には「立場」がゼロだった。
たとえば、現場の方針を決める会議に、俺は呼ばれない。「契約を切ります」と言われたら、その月で終わり。何年その現場にいても、肩書きは「派遣の人」のまま。お金はあっても、自分の足場がない。砂の上に家を建てているような感覚だった。
正社員になる本当の意味は、給料が上がることじゃない。「いてくれ」と言ってもらえる立場を手に入れることだ。これは月収140万でも買えなかった。だから俺は、稼ぎながら、別のものを仕込み始めた。それが次の「引き抜かれる人の共通点」だ。
引き抜かれる人の共通点・3つ
俺は派遣の現場を20年以上見てきた。「請われて社員になる人」と「ずっと派遣のままの人」を、何人も並べて見てきた。両者の差は、能力じゃない。日々の動き方だった。引き抜かれる人には、はっきり3つの共通点がある。
共通点1:先回りする(言われる前に動く)
普通の派遣は「言われた作業をやる」。引き抜かれる人は「言われる前に、次に困ることを潰しておく」。
たとえば、機器の設定を頼まれたとする。普通は設定だけして報告する。引き抜かれる人はこうする。「ついでに、同じ設定がいる隣の機器も見ておきました。あと、3か月後に証明書が切れるので、メモを残しておきます」。
頼まれてないことを1個だけ足す。これだけで、現場のリーダーは「こいつは社員側の頭で考えてる」と思う。派遣の頭は「自分の作業範囲」で止まる。社員の頭は「現場全体」を見る。先回りは、その頭の違いを見せる一番わかりやすい行動だ。
共通点2:結果を数字で残す
「頑張ってます」は誰でも言える。引き抜かれる人は、頑張りを数字に変える。
俺がやっていたのは、地味なことだ。「手作業で40分かかっていた確認を、簡単な手順書にまとめて10分にした」。これを、口で言うだけじゃなく、紙1枚にして渡す。40分→10分。月20回やるなら、毎月10時間が浮く。こう書くと、現場の人は「この人がいなくなると困る」と数字で実感する。
「いい人」では引き抜かれない。「いなくなると、毎月10時間損する人」が引き抜かれる。感謝じゃなく、損得で必要とされることだ。冷たく聞こえるかもしれないが、会社が人を雇うのは損得で動くからだ。
共通点3:代わりが効かない仕事を1つ持つ
これが一番大事だ。引き抜かれる人は、現場に「この人にしか分からない領域」を1つ持っている。
全部を完璧にやる必要はない。むしろ逆だ。1つでいいから、「この設定はNさんが一番詳しい」「このトラブルはNさんに聞け」という場所を作る。すると、契約を切る話が出たときに、現場のリーダーがこう言う。「あの人を切ると、ここが回らなくなる。社員で引き取れないか」。
俺の場合、それはネットワークの、ある特定の領域だった。最初に取ったCCNA(ネットワークの入門資格)から始めて、現場で誰よりもその分野を触り続けた。資格は入り口にすぎない。現場で「その1分野の代わりが効かない人」になったことが、引き抜かれた本当の理由だ。
「請われる」前に仕込む準備
引き抜かれるのは、運じゃない。運に見えるように、毎日仕込んでおくものだ。今日からできる準備を、順番に渡す。
準備1:単価より「育つ現場」を選ぶ
派遣会社から現場を紹介されると、つい単価の高いほうを選びたくなる。でも引き抜かれたいなら、見る場所が違う。「自分の領域を深められる現場か」で選ぶ。単価が2万安くても、1つの技術を腰を据えて触れる現場のほうが、半年後の自分は強くなる。だから派遣会社は1社で決めず、複数登録して「どの現場が自分を伸ばすか」で比べたほうがいい。
準備2:紹介予定派遣という「正社員への階段」を知っておく
「請われる」のを待つだけじゃなく、最初から正社員を狙う制度もある。それが紹介予定派遣だ。これは「最大6か月、派遣で働いてみて、お互いよければ正社員になる」という前提の契約。いわばお試し期間つきの正社員ルートだ。
普通の中途採用は、書類と面接だけで決まる。中卒だと、ここで「大卒以上」に弾かれやすい。でも紹介予定派遣なら、学歴じゃなく、6か月の働きぶりで判断される。上の「引き抜かれる3つ」を6か月やれば、学歴フィルターを実力で飛び越えられる。中卒・高卒にとっては、これがいちばんフェアな入り口だ。
準備3:自分の「数字」を1ページにためておく
引き抜きの話が来たとき、あわてて実績を思い出そうとしても遅い。だから普段から、やったことを1ページにためておく。「いつ・何を・どれだけ良くしたか」を、1行ずつ。「6月:確認作業を40分→10分に短縮」みたいに。これが溜まると、いざという時の交渉カードになるし、正社員の面談でも、これを見せるだけで話が早い。中卒で言葉に自信がなくても、数字は嘘をつかないから強い。
どの派遣サービスから始めればいいか
「引き抜かれる側に回る」最初の一歩は、自分が育つ現場を紹介してくれる派遣会社に登録することだ。下は、未経験・中卒・高卒でも登録でき、ITの現場につながりやすいタイプのサービス。正社員を最初から狙うなら、紹介予定派遣の求人を持っているかを担当者に聞くといい。どれも登録は無料。まず2〜3社に登録して、現場と制度を比べるところから始めればいい。
中卒のNが薦める「正社員を狙えるIT派遣」【比較は近日掲載】
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